借金返済に悩む中小企業に未来
中小企業が借金返済に悩むのは、時代の流れにそぐわない昔ながらのやり方で経営をしているからだ、という見方もできる。もちろん、そういう職人気質の企業もあっていいと思うが、経営が破綻して借金返済に追われるようになってしまうのなら、経営の方針自体を立て直す努力も必要だろう。
経済のグローバル化というのも、中小企業の借金を増やす大きな一因である。例えば、繊維産業。国内で洋服をデザインして工場で製品化し、市場に送り出してきた企業が借金返済に悩んでいる。なぜならば、中国などからはるかに安い製品がどんどん流入してくるからだ。
これは日本に限ったことではなく、ヨーロッパなどの繊維工業にも影響を与えている。古くから伝統のあるヨーロッパの繊維工業が中国の安い繊維製品にやられて、借金返済に苦しむようになり、工場を閉鎖してしまう。そのまま続けても、借金返済の負担が増すばかりである。
そういった状況にあって、日本の中小企業も方針転換を迫られている。日本国内で繊維製品を作るコストを中国と較べれば、借金返済の地獄に陥ることは明白だからだ。
先日のニュースの報道では、さらに悲惨な状況を伝えていた。そういった借金返済に悩む日本の繊維工場が、人件費を安くするために、中国からの研修生を不当に安い給料で使っていたというのだ。そうなると、企業の借金返済とその中国の研修生の借金返済(彼女らはブローカーに不法な仲介料を払っているので、本国では多額の借金をしている)の二重の地獄が彼らを苦しめていることになる。そして、そんな企業は結局生き残れないので、倒産してしまう。
国内の中小企業が外国からの製品にやられ、さらに労働者も外国人に職を奪われる。これがグローバル化によってもたらされる、借金返済という負の側面なのである。